August 28, 2009

甲種乙種危険物取扱者資格について

危険物取扱者とは

国家資格の中でも最もポピュラーな資格の一つとして危険物取扱者があります。その中でも、このHPでは甲種危険物取扱者を紹介しています。甲種危険物取扱者は、全種類の危険物を取り扱うことができ化学系の大学生や化学工場などで働く方にとって取得すると有益な資格だと思われます。甲種危険物は受験資格があり誰でも取れる資格ではありません。もし、あなたに受験資格があるのであれば是非、挑戦してみてください!!


危険物取扱者の分類
危険物は6つに分類されており、それぞれ1類ずつ取り扱える資格が乙種危険物取扱者です。そのため、乙種危険物には1類から6類までの資格が存在しています。甲種危険物取扱者はその6つに分類させている危険物すべてを取り扱えるという資格です。

第1類 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素塩類などの酸化性固体

酸化性固体:可燃物を酸化して、激しい燃焼や爆発を起こす固体。
1.塩素酸塩類
2.過塩素酸塩類
3.無機過酸化物
4.亜塩素酸塩類
5.臭素酸塩類
6.硝酸塩類
7.よう素酸塩類
8.過マンガン酸塩類
9.重クロム酸塩類
10.その他政令で定めるもの
  (過よう素酸塩類、過よう素酸、クロム,鉛又はよう素の酸化物、亜硝酸塩類、次亜塩素酸塩類、
     塩素化イソシアヌル酸、ペルオキソニ硫酸塩類、ペルオキソニほう酸塩類)
11.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの


第2類
 硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウムなどの可燃性固体

可燃性固体:着火しやすい固体や低温で引火しやすい固体。
1.硫化りん
2.赤りん
3.硫黄
4.鉄粉
5.金属粉(アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム粉等)
6.マグネシウム
7.その他のもので政令で定めるもの
8.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
9.引火性固体(固形アルコール、ラッカーパテ、ゴムのり)


第3類 カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質

自然発火物質及び禁水性物質:空気や水と接触して、発火したり可燃性ガスを出したりする物質。
1.カリウム
2.ナトリウム
3.アルキルアルミニウム
4.アルキルリチウム
5.黄りん
6.アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く)及びアルカリ土類金属
7.有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く:ジエチル亜鉛等)
8.金属の水素化物(水素化リチウム、水素化ナトリウム等)
9.金属のりん化物(リン化カルシウム等)
10.カルシウム又はアルミニウムの炭化物(炭化カルシウム、炭化アルミニウム)
11.その他のもので政令で定めるもの(塩素化けい素化合物)
12.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの


第4類 ガソリン、アセトン、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体

引火性液体:引火しやすい液体。
1.特殊引火物  1気圧で、発火点が100度以下、又は引火点が-20度以下で沸点が40度以下のもの
2.第1石油類  1気圧で、引火点が21度未満のもの。
3.アルコール類 炭素数3以下の1価アルコール。
4.第2石油類  1気圧で、引火点が21度以上70度未満のもの。
5.第3石油類  1気圧で、温度20度で液体であって、引火点が70度以上200度未満のもの。
6.第4石油類  1気圧で、温度20度で液体であって、引火点が200度以上のもの。
7.動植物油類  1気圧、20度で液体のもの。

第5類 有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物などの自己反応性物質

自己反応性物質:加熱や衝撃で、激しく燃えたり爆発したりする物質。
1.有機過酸化物(過酸化ベンゾイル等)
2.硝酸エステル類(硝酸エチル、ニトロセルロース等)
3.ニトロ化合物(ピクリン酸等)
4.ニトロソ化合物
5.アゾ化合物
6.ジアゾ化合物
7.ヒドラジンの誘導体
8.その他のもので政令で定めるもの(金属のアジ化物(アジ化ナトリウム等)、硝酸グアジニン)
9.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの


第6類 過塩素酸、過酸化水素、硝酸などの酸化性液体               

酸化性液体:他の可燃物と反応して、その燃焼を促進する液体。
1.過塩素酸
2.過酸化水素
3.硝酸
4.その他のもので政令で定めるもの(ハロゲン間化合物:フッ化塩素、三フッ化臭素等)
5.前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの


受験資格

甲種危険物取扱者の試験を受験するには受験制限があります。
大学等?において化学に関する学科等を卒業した者卒業証明書、卒業証書大学等卒
大学等?おいて化学に関する授業科目を15単位以上修得した者単位修得証明書、成績証明書15単位
乙種危険物免状交付後、危険物取り扱いの実務経験が2年以上の者乙種危険物取扱者免状+実務経験証明書実務2年
修士、博士の学位を授与された者で化学の事項を専攻した者(外国の同学位も含む)学位学位記等
工業の教科に関わる高校の教員の普通免許状を有する者(教科の専攻科目が化学に関するもの)教員免許工業教科高校教員免許状
?大学、短期大学、高等専門学校の専攻科・外国における大学等・防衛大学校・職業能力開発大学校、同短期大学校・工学院大学専修(専門)学校応用化学科
?大学、短期大学、高等専門学校、大学院の通信教育・大学、短期大学、高等専門学校の専攻科放送大学(以上通算可)/ 外国における大学等・防衛大学校、防衛医科大学校・職業能力開発大学校、同短期大学校・水産大学校・海上保安大学校、気象大学校なお、過去いずれかの支部で甲種受験願書を受理された方は、その時の受験票又は試験結果通知書があれば、甲種危険物取扱者試験の受験資格の証明書に代えることができます。

乙種危険物取扱者の試験を受験には制限はありません。



取得後のメリット

最近の受験者の傾向として、40代の社会人の方や化学系の大学生が特に多いような気がします。その理由として、不景気により雇用が安定しないということが挙げられると思います。40代の受験者のほとんどの方がリストラ対策のために受験を決めましたという人が多く、大学生に関しても、就職活動を見据えて受験する大学三年生が目立ちます。

合格後一人一人、メリットは異なるとは思いますが絶対持っていて損をすることはないと思います。

甲種には受験資格があるのであれば頑張って受験してみましょう!!

化学工場に就職したい学生ならこれ以上武器はないと思います。

化学系以外の会社に就職したい学生さんも学生生活で頑張った証にもなりますし、面接での会話のネタにもなります。そして、履歴書に甲種危険物取扱者と書けるのです。

乙種に関しては、受験資格がなく誰でも取得できてしまうので受験資格のある方は是非甲種を取ってください。

化学工場にお勤めの人は給料に影響があるということをしばしば聞きます。




願書を手に入れる

受験願書は近くの消防署で貰えます

願書提出の注意点


願書の書き方は要項の説明に従って丁寧に書いてください。※都道府県コードが他府県受験のためわからない場合はB面裏に一覧表があります。

詳しくは消防試験センターを詳細。    

写真は合格した場合10年間書き換えまで使うことになります。会社などで使うとき恥ずかしくないような写真を準備してください
・受験料5000円の振込みは各都道府県の指定に従い郵便局又は銀行等の金融機関から払い込んでください
・都道府県によって持参、郵送、持参or郵送とまちまちなのでご注意ください。
・願書の記入ミスは消防センターの人も困りますのでご注意ください。
・期日までに願書が届かないと願書が返信されてくるそうです。締め切り日にも注意です
・郵送方法にも都道府県の指定があると思いますので必ず確認を
August 25, 2009

甲種乙種危険物取扱者試験について

試験の概要
受験時間は2時間30分
試験科目は次の通りです。

 甲種試験科目
問題数
危険物に関する法令
15問
物理学及び化学
10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
20問

甲種危険物取扱者の試験は3つの試験に分かれており、足切り点があります。3科目全部60%以上正解しなくてはいけません。法令と化学で100%でも性質で50%だと不合格になってしまいます。すべての科目で60%以上正解できるように勉強を進めてください


受験会場
試験日程は各都道府県で異なります。もし、自分の住んでいる都道府県で試験がなかなか行われない場合、他の試験会場で受験することができます。ほとんどの都道府県では願書と一緒に試験会場の案内が配られるので大丈夫だと思います。各都道府県の試験会場は各支部のHPに紹介されていますので必要な方はHPを探してみてください。

合格難易度
国家資格の中でも一般的に簡単だと言われている危険物取扱者ですが、甲種危険物取扱者に関しては油断していると、落ちることもありますし、しっかり勉強しなくては合格できないと思われます。ただ、ちゃんと勉強すれば合格できない資格ではありません。